GBS(B群溶血性連鎖球菌)って??
GBSとは、Group B Streptococcus、B群溶血性連鎖球菌のことです。
この菌自体は決して悪いものではなく、指や皮膚に普通についていたりします。膣に常在している場合も多く、妊婦さんの10%程度はこの菌を保有しています。
でも通常は大した病原性を持たないため問題にはなりません。
ただ妊娠中にこの菌が膣内に認められると、お産の時、産道を通る際に赤ちゃんに感染して細菌性髄膜炎や敗血症、肺炎など起こすことがあります。 とは言え、GBSを保有しているママさんから生まれた赤ちゃんみんなにGBSが伝わってしまう訳ではありません。
伝わってしまった場合も実際に感染症を発症する率は1%以下と言われています。
でもやはり感染対策は必要です。
検査の方法
妊娠後期(36週前後)におりものの培養検査をすることによって、GBSを保有しているかどうかが分かります。内診の時に綿棒でおりものを採取します。
治療・処置
GBSを保有していると分かった時点から抗生剤を1、2週間内服し治療します。
GBSはビクシリンなどペニシリン系の抗生剤がよく効くので、一旦は検査で陰性になることもあります。
でも再発する場合も多いので、赤ちゃんへの感染を予防するにはこれだけでは十分ではありません。
赤ちゃんへの感染を防ぐためには
赤ちゃんへの感染を防ぐためには、お産のとき、陣痛が始まった時点もしくは破水が分かった時点にペニシリン系の抗生剤を点滴します。
お産までに時間がかかる場合は何度か点滴をします。
抗生剤により菌の感染力が最小限になっている時に赤ちゃんが産道を通ってきても感染する可能性はかなり低くなります。
生まれてきた赤ちゃんは生後数日、感染症の前兆がないかを注意深く観察し、場合によってはのど、鼻の細菌培養検査をします。